パーマロイとは

パーマロイ（Permalloy）とは、ニッケル（Ni）と鉄（Fe）を主成分とする合金であり、非常に高い磁気透過性（透磁率）を持つ磁性材料です。 一般的には、ニッケルが約80%、鉄が約20%の比率で構成されており、これにより外部磁場を容易に通す性質を持ちます。透磁率が高いということは、磁場をよく通し、磁気的な影響を効率よく伝えることができるということです。パーマロイは、主に磁気シールド材やトランスのコア材、**磁気ヘッド（例：ハードディスクや磁気カードリーダー）**など、微弱な磁場を正確に検知したり制御したりする必要がある用途で活用されます。また、パーマロイはヒステリシス損失が非常に小さいため、磁気エネルギーのロスを抑えた高効率な電磁機器の設計が可能です。

特に電磁波の影響を防ぐ「磁気シールドケース」などに用いられることが多く、精密機器の誤動作防止にも役立っています。さらに、柔らかい磁性体であるため、磁化と脱磁が簡単に行える点も特徴の一つです。

このように、パーマロイはその優れた磁気特性から、エレクトロニクスや通信、医療機器など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。

パーマロイの使用用途

✅ 電子機器の磁気シールド
パーマロイは、モバイルフォン、コンピュータ、テレビなどの電子機器の磁気シールドによく使用されます。これは、外部の磁場から電子機器を守り、機器の動作を妨げることなく、電磁波干渉（EMI）を防ぐ役割を果たします。
✅ 変圧器のコア
高い磁気透過率を持つパーマロイは、変圧器のコアの製造に広く使用されています。変圧器のコアは、電力変換の効率を高め、エネルギー損失を最小限に抑えるために不可欠です。これにより、電力配電システムでの効率的な運用が可能になります。
✅ ハードディスクの磁気ヘッド
パーマロイは、ハードディスクの磁気ヘッドの製造にも使用されています。ここでは、磁気記録メディアにデータを正確に読み書きするために重要な役割を果たします。弱い磁場に反応する能力が、精密な作業に最適です。
✅ 医療機器の磁気センサー
パーマロイは、医療機器内の磁気センサーにも使用されています。例えば、MRI（磁気共鳴画像法）装置では、磁場の微細な変化を検出するために利用され、正確な画像診断を支援しています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。