アルゴンとは

アルゴン（Argon、記号：Ar）は、化学的に安定した無色・無臭の気体で、周期表の18族に属する貴ガスの一つです。空気中の構成成分として最も多く存在する貴ガスで、地球の大気中には約0.93％の割合で存在します。アルゴンは、化学反応をほとんど起こさず、非常に安定しており、反応性が低いことが特徴です。

この特性から、アルゴンはさまざまな産業用途で利用されています。例えば、金属の溶接や切断の際には、アルゴンガスが酸素や窒素と反応しないため、製品の品質を保ちながら安定した作業環境を提供します。これにより、アルゴンはTIG溶接（タングステン不活性ガス溶接）などの特殊溶接技術において重要な役割を果たしています。

また、アルゴンは化学実験や科学研究の分野でも利用されています。アルゴンは、化学反応を引き起こすことなく反応を観察することができるため、分析や実験の際に重要な役割を担います。さらに、アルゴンは低温物理学の研究でも使用され、冷却剤や絶縁体としても利用されます。

アルゴンは空気中に豊富に存在し、取り扱いが簡単であるため、比較的安価で入手可能です。このため、特に工業や研究用途で広く使用されています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。