アルシン（Arsine、化学式：AsH₃）とは

アルシン（Arsine、化学式：AsH₃）は、無色で有毒な気体で、アルセニウム（ヒ素）を含む化合物の一つです。非常に強い毒性を持ち、呼吸器系や神経系に深刻な影響を与える可能性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。アルシンは、ヒ素と水素が反応して生成され、化学工業や半導体製造など、いくつかの分野で使用されています。

アルシンは、特に半導体産業において重要な役割を果たしています。ガリウムヒ素（GaAs）やインジウムヒ素（InAs）など、特定の半導体材料の製造に利用されることがあります。また、農薬や殺虫剤、木材の防腐剤としても使用されることがあり、これらの用途においても毒性が高いため、慎重な取り扱いが求められます。

アルシンは、温度や圧力の変化に敏感であり、適切な管理が必要です。常に空気中の酸素と反応しやすいため、酸化を防ぐために密閉された環境で扱われます。そのため、アルシンを使用する施設では、厳格な安全対策が必要です。また、化学的に不安定な性質を持つため、分解反応や火災の危険性もあります。

その毒性と危険性のため、アルシンの取り扱いや排出に関しては、規制が厳しく、特に産業分野ではその使用が制限されています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。