イソプレン（Isoprene、化学式 C₅H₈）とは

イソプレン（Isoprene、化学式 C₅H₈）は、2-メチル-1,3-ブタジエン（2-methyl-1,3-butadiene）とも呼ばれる、揮発性が高く、特有の臭いを持つ無色の液体です。天然ゴムの主成分であり、多くの植物や動物、そして人間の体内でも自然に生成される化合物です。

産業的には、主に合成ゴム（特にポリイソプレン）を製造するためのモノマーとして重要です。ポリイソプレンは天然ゴムと類似した物理的性質を持ち、タイヤ、弾性部品、医療用手袋などに幅広く使用されます。

イソプレンはまた、テルペノイド（植物の芳香成分など）やビタミン類の合成にも使われることがあり、生化学や有機合成の分野でも利用されています。自然界では多くの樹木、特にポプラやオークが大量のイソプレンを放出しており、大気中での化学反応を通じてオゾンやエアロゾルの生成に関与することがあります。

毒性は比較的低いとされますが、揮発性と可燃性が高いため、換気の良い環境での取り扱いが求められます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。