オゾン（O₃）とは

オゾン（O₃）は、酸素（O₂）の同素体であり、3つの酸素原子から成る気体です。オゾンは、地球の大気中で自然に生成されるほか、人工的にも作り出されます。特に、紫外線や電気放電によって酸素分子が分解し、再結合する過程で生成されます。このため、オゾンは高エネルギーの紫外線を吸収する性質を持っており、大気中で紫外線を遮断する重要な役割を果たします。

オゾンは、高い酸化力を持つ化学物質であり、その酸化作用により多くの有害物質を分解することができます。この特性から、オゾンは水処理、空気清浄、消臭、さらには医療分野での殺菌にも利用されています。例えば、オゾン水を用いた消毒や、オゾンを使った空気清浄機などが一般的に知られています。

一方、オゾンは地球の上空にある「オゾン層」にも関与しており、このオゾン層が紫外線の有害な影響から地球を守っています。しかし、オゾン層が破壊されると、紫外線が直接地表に届き、生物に対して悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、オゾン層の保護が重要視されています。

オゾンはまた、工業用途にも広く使われており、オゾン反応を利用した酸化反応や有害物質の除去においても使用されています。しかし、オゾンは高濃度であった場合、人体に対して有害であり、呼吸器系への影響を引き起こすことがあるため、取り扱いには注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。