シアン化ナトリウム（Sodium Cyanide）とは

シアン化ナトリウム（Sodium Cyanide）は、化学式NaCNで表される無機化合物で、ナトリウム（Na）とシアン基（CN）が結びついたものです。無色の結晶または白色の粉末状の固体で、水に溶けやすく、強い毒性を持つ化学物質です。

✅ 用途
シアン化ナトリウムは、主に鉱鉱業や金の抽出に利用されます。金鉱石から金を分離するためにシアン化ナトリウムを用いる「シアン化法」は、金鉱の採掘において広く使われています。また、化学合成においても中間体として使用されるほか、製薬産業や農業にも利用されることがあります。
✅ 健康影響
シアン化ナトリウムは非常に有毒であり、体内に取り込まれるとシアンイオン（CN⁻）が細胞の呼吸に必要な酵素を阻害し、細胞のエネルギー生成を妨げます。その結果、酸素供給不足が引き起こされ、急性中毒症状を引き起こすことがあります。中毒が進行すると、呼吸困難、意識喪失、さらには死に至ることがあります。
そのため、シアン化ナトリウムを取り扱う際には厳重な注意が必要であり、適切な防護具や換気が求められます。また、事故や漏洩が発生した場合には迅速な対応が必要です。
✅ 環境への影響
シアン化ナトリウムは、水や土壌に漏れ出すと環境に深刻な影響を与える可能性があります。特に水中では、シアンイオンが有害物質となり、水生生物に大きな被害を及ぼすため、取り扱いには十分な注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。