ジクロロ酢酸（C2H2Cl2O2）とは

ジクロロ酢酸（C2H2Cl2O2）は、有機化合物で、酢酸の2つの水素原子のうち2つが塩素原子に置き換わった構造を持っています。無色の液体で、強い酸性を示し、一般に有機化学や医薬品、農薬の製造に利用されます。ジクロロ酢酸はその化学的特性から、特に酸化還元反応に関与する化学合成の中間体として広く使用されています。

ジクロロ酢酸は、がん治療や代謝異常に関連した疾患に対する研究にも注目されています。特に、細胞のエネルギー代謝を改善する作用があるとされ、がん細胞のエネルギー代謝をターゲットにする治療法に関する研究が進められています。ジクロロ酢酸は、細胞内の乳酸を減少させ、代謝経路を改善することで、がん細胞の成長を抑制する可能性があるとされます。

ただし、ジクロロ酢酸はその高い毒性から、取り扱いには十分な注意が必要です。特に高濃度での接触や吸入は、肝臓や腎臓、さらには中枢神経系に有害な影響を与えることがあるため、適切な防護具を使用し、換気の良い場所で作業を行うことが求められます。また、環境への影響もあるため、廃棄や使用後の処理にも慎重を期する必要があります。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。