塩化アセチル（C₂H₃ClO）とは

塩化アセチル（C₂H₃ClO）は、有機化合物の一種で、無色の液体として存在し、強い酸化性を持つため、化学的に非常に反応性が高い物質です。主に化学合成に使用され、アセチル基（-COCH₃）を他の分子に導入するための重要な試薬です。工業的には、医薬品の合成や染料、香料、プラスチックなどの製造において広く使用されます。特に、アセチル化反応を利用して、アミンやアルコールといった化合物をアセチル化する際に使用されます。

塩化アセチルは水と反応すると、塩酸（HCl）を発生させるため、湿気の多い環境や水分と接触しないように取り扱いには注意が必要です。そのため、乾燥した場所で保管し、作業時には適切な換気や防護具を使用することが推奨されます。また、強い腐食性を持つため、皮膚や目に接触しないよう十分な注意が求められます。化学的に活発な物質であるため、取り扱いは慎重を期し、特に酸化性が強いため、火源や高温環境では反応が激しくなることがあります。

これらの特性から、塩化アセチルは化学工業の分野で非常に重要な役割を果たしており、さまざまな化学反応において不可欠な試薬として利用されています。研究室や工場での取り扱いには、正しい知識と安全対策が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。