キニーネ（Quinine）とは

キニーネは、化学式 C20H24N2O2 のアルカロイドで、主にマラリアの治療に使用される薬物です。キニーネは、アマゾンやアフリカの熱帯地方に自生するキナの木（Cinchona tree）の樹皮から抽出され、数世代にわたってマラリア治療薬として広く使用されてきました。キニーネは、マラリアを引き起こす原虫である「Plasmodium」の活動を抑制し、症状を軽減する効果があります。具体的には、キニーネは原虫のヘモグロビン分解を妨げ、これによって原虫が増殖するのを抑えるとされています。そのため、マラリアの急性期や重症型の治療に重要な役割を果たしています。

また、キニーネは神経系にも影響を与え、神経伝達物質の作用を変化させることが知られています。そのため、マラリア治療だけでなく、筋肉の痙攣を抑える目的で使われることもあります。ただし、キニーネには副作用があるため、注意して使用しなければなりません。特に、過剰摂取は中毒を引き起こすことがあり、聴覚障害や視覚障害、心臓の不整脈などの症状を引き起こす可能性があります。

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