トルエンスルホン酸（Toluene Sulfonic Acid、TsOH）とは

トルエンスルホン酸（Toluene Sulfonic Acid、TsOH） は、トルエン分子のベンゼン環にスルホン酸基（–SO₃H）が結合した構造を持つ、有機スルホン酸の一種です。最も一般的なのはp-トルエンスルホン酸（para-toluenesulfonic acid）で、メチル基とスルホン酸基が対向位置にある構造です。化学式は CH₃C₆H₄SO₃H。外観は白色または淡黄色の結晶性固体で、水やアルコールによく溶けます。非常に強い酸性を持ち、鉱酸の代替として有機合成で広く使われている酸触媒です。エステル化、アセタール化、脱水反応など、多くの反応に利用されます。また、トルエンスルホン酸の塩である**トシル塩（TsClなど）**は、良好な脱離基として利用されることも多いです。安定性が高く取り扱いやすい一方で、皮膚や目への刺激性があるため、適切な保護具の使用と換気環境の確保が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。