ベンゾニトリル（Benzonitrile）とは

ベンゾニトリルは、化学式C₆H₅CNで表される有機化合物で、ベンゼン環にシアノ基（CN）が結びついている構造を持つ化合物です。無色の液体で、芳香を持ち、揮発性があり、非常に低い沸点（191°C）を持っています。ベンゾニトリルは、水には溶けにくいですが、有機溶媒にはよく溶ける性質があります。この化合物は、主に化学合成において重要な中間体として使用されます。ベンゾニトリルは、医薬品、農薬、染料、香料の合成において重要な役割を果たしており、特にシアノ基を持つ化合物の合成には欠かせない原料です。例えば、ベンゾニトリルを起点として、アミノ酸、アミン類、アルデヒドなどのさまざまな化合物を合成することができます。

また、ベンゾニトリルは、化学反応において溶媒としても使用されることがあります。特に、反応において高温や有機反応が必要な場合に、ベンゾニトリルは効果的な溶媒となることがあります。さらに、ベンゾニトリルは有害な性質を持つため、取り扱いには注意が必要です。皮膚や目に対して刺激を与えることがあり、吸入すると呼吸器系に影響を及ぼす可能性があります。したがって、適切な保護具を使用し、換気を十分に行いながら取り扱うことが推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。