マレイミド（Maleimide）とは

マレイミド（Maleimide）は、有機化合物の一種で、構造的にはピロリジン環にカルボニル基が結合した化合物です。化学式はC₄H₄N₂Oであり、一般的に白色の結晶性固体として存在します。マレイミドは、主に高分子化学や合成化学において重要な役割を果たします。マレイミドの特徴的な構造は、反応性の高い二重結合を持つため、さまざまな化学反応に利用されます。特に、「マレイミド反応」として知られる化学反応があり、これはアルケンと反応して環状化合物を形成する反応です。この特性により、マレイミドは高分子の架橋反応や、異種ポリマーの接着など、さまざまな化学合成に利用されます。また、マレイミドはポリマー化学において、エポキシ樹脂やポリウレタンなどの材料に改質を加えるための原料としても使用されることがあります。加えて、医薬品や化粧品の分野でも、特定の分子間相互作用を調整するためにマレイミド基が使用されることがあります。

マレイミドは、特にその反応性を活かして、多くの合成反応や材料開発に貢献しており、これにより様々な用途で重要な役割を担っています。ただし、取り扱いには注意が必要であり、適切な保護具を使用することが推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。