塩化セシウム (CsCl)とは

塩化セシウム (CsCl) は、セシウム (Cs) と塩素 (Cl) からなる無機化合物で、化学式はCsClです。常温では白色または無色の結晶として存在し、水に非常によく溶けます。この化合物は、特にその化学的性質から多くの工業的、化学的な用途があります。セシウムは、アルカリ金属の一種で、非常に高い反応性を持っています。塩化セシウムは、セシウムの化学的性質を利用したさまざまな化学反応において重要な役割を果たします。特に、放射線技術において利用されることが多く、塩化セシウムは放射線源として使用されることがあります。例えば、セシウム-137は、放射線治療や放射線測定で用いられる重要な同位体です。

また、塩化セシウムは化学分析や分離技術においても使用されることがあります。例えば、密度勾配遠心法において、塩化セシウムは密度の異なる物質を分離するための試薬として活用されます。これは、セシウム塩が水溶液中で非常に溶解性が高いため、分離操作を効率的に行うことができるからです。さらに、塩化セシウムはセシウムイオンとして、様々な化学的反応や半導体製造にも利用されます。電子機器や光学機器の製造においても重要な役割を果たします。

その一方で、塩化セシウムは環境や人体に対して非常に高い毒性を持つ可能性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。特に放射線源として使用される場合は、その管理が厳重に行われています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。