塩化鉛（PbCl₂）とは

塩化鉛（PbCl₂） は、鉛と塩素からなる化合物で、化学式はPbCl₂です。常温では白色または無色の結晶性の固体で、水に対してはほとんど溶けませんが、熱水に溶けやすくなります。このため、塩化鉛は加熱することによって溶解しやすくなる特性を持っています。塩化鉛は鉛塩の中で最も安定した形態の一つとして知られており、化学的に安定しています。産業では、主に顔料や塗料、ガラス製造の原料として使用されてきましたが、鉛化合物の毒性が問題視されているため、その使用は近年減少しています。

塩化鉛は有毒性が強く、吸入や摂取、皮膚への接触を避ける必要があります。特に鉛は神経系や腎臓に悪影響を与えることが知られており、鉛中毒のリスクが伴います。塩化鉛はまた、化学的に非常に反応性があり、酸やアルカリと反応して別の鉛化合物を生成することがあります。そのため、塩化鉛を取り扱う際は、十分な安全対策を講じることが求められます。

また、塩化鉛は低温で結晶化しやすく、鉛の酸化物として鉛酸化物の製造に利用されることもあります。これらの特徴により、化学実験や分析で使われることもありますが、その取り扱いには厳重な注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。