三酸化硫黄（SO₃）とは

三酸化硫黄（SO₃）は、硫黄と酸素から構成される無機化合物で、非常に反応性の高い酸化物です。常温では無色または白色の結晶性固体または煙を発する液体として存在し、水分と激しく反応して発熱し、濃硫酸を生成します。工業的には、接触法によって二酸化硫黄（SO₂）を酸化して得られ、主に硫酸（H₂SO₄）の大量製造に使用されます。硫酸は化学工業で最も重要な基礎化学品のひとつであり、肥料、爆薬、染料、合成繊維、鉱石の精錬など、多くの分野で不可欠です。

SO₃は非常に吸湿性が高く、空気中の水分とも反応して煙を発生させることがあります。また、腐食性が極めて強いため、取り扱いには注意が必要で、耐酸性の容器や装置を使用し、防護具の着用が必須です。環境面では、SO₃は大気中の汚染物質としても知られ、酸性雨の原因物質の一つです。SO₂が大気中で酸化されてSO₃となり、水と反応して硫酸となることで、降雨と共に地表に沈着します。よって、環境対策として排出管理が厳しく求められています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。