酸化アンチモン（Sb₂O₃）とは

酸化アンチモン（Sb₂O₃）は、アンチモンと酸素からなる無機化合物で、白色の結晶または粉末として存在します。アンチモンは金属元素であり、酸化状態では化合物として多くの用途があります。酸化アンチモンは、特に化学的安定性が高く、熱的にも安定しています。産業用途としては、主にフレーム耐性を強化するために使用され、難燃剤として利用されることが多いです。具体的には、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維、プラスチック、ゴムなどの難燃性向上のために酸化アンチモンが添加されます。これにより、火災のリスクを低減し、安全性を向上させることができます。

さらに、酸化アンチモンはガラス産業でも利用されています。特に、透明なガラスや鉛ガラスにおいて、光の屈折率を改善するために使用されることが多いです。また、電子機器や半導体の製造過程においても、導電性材料や絶縁材料として使用されます。その他にも、酸化アンチモンは顔料や化学反応の触媒として利用され、さまざまな産業で重要な役割を果たしています。

取り扱い時には、吸入や皮膚接触を避けるため、適切な保護具を着用することが推奨されます。酸化アンチモンは毒性があり、大量に摂取した場合には健康に害を及ぼす可能性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。