酸化ジルコニウム（ZrO₂）とは

酸化ジルコニウム（ZrO₂）は、ジルコニウムと酸素からなる無機化合物で、白色の結晶性粉末として存在します。ジルコニウムは非常に耐食性と耐熱性に優れた金属で、酸化ジルコニウムはその特性を反映し、特に高温環境下でも安定しており、さまざまな産業で広く利用されています。特に、耐火材料やセラミックス、さらには医療分野での使用が注目されています。酸化ジルコニウムは、主に耐火材として使用されます。例えば、高温炉や炉の内壁、鋳造業で使用される材料に含まれています。酸化ジルコニウムは非常に高い融点を持ち、耐熱性が極めて優れているため、高温環境下での使用に適しています。

また、酸化ジルコニウムはセラミックス材料としても非常に重要です。特に、ジルコニウム酸化物セラミックス（ジルコニアセラミックス）は、優れた機械的特性を持ち、歯科のインプラントや人工関節の材料として使用されています。ジルコニアセラミックスは、その硬度や耐摩耗性、耐腐食性のため、長期間の使用にも耐えるため、医療機器や工業機械部品にも利用されます。さらに、酸化ジルコニウムは触媒や化学反応を促進する触媒としても利用されることがあります。例えば、化学反応における酸化還元反応や水分解反応において酸化ジルコニウムが活性化剤として使われることがあります。

酸化ジルコニウムの応用は広範囲にわたり、特に材料工学や医療、エネルギー分野などでの使用が増えてきています。その優れた物理的特性から、今後さらに多くの新しい応用が期待される材料です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。