酸化チタン（TiO₂）とは

酸化チタン（TiO₂）は、チタン（Ti）と酸素（O）からなる無機化合物で、化学式はTiO₂です。自然界では、主にルチル（Rutile）やアナタース（Anatase）、ブルカイト（Brookite）といった鉱物の形で存在します。酸化チタンは、白色の結晶性粉末として広く使用されており、その高い耐久性、安定性、そして紫外線（UV）吸収能力が特徴です。酸化チタンは、主に塗料、化粧品、食品、医薬品、さらには太陽光発電パネルや光触媒など、さまざまな分野で利用されています。特に、酸化チタンはその優れた白色度と不透明性から、塗料やインクの白色顔料として非常に重要です。自動車、建材、家電製品など、さまざまな製品に塗布され、長期間の耐候性を提供しています。

また、酸化チタンは紫外線を効率よく吸収するため、日焼け止めや化粧品において紫外線遮断剤として広く使用されています。これにより、皮膚を紫外線から守り、皮膚癌などのリスクを低減させる役割を果たしています。さらに、酸化チタンは環境に優しい光触媒としても知られており、空気や水を浄化するための触媒としても利用されます。特に、酸化チタンを使った光触媒技術は、汚染物質を分解する能力が高いため、環境保護の分野でも注目されています。酸化チタンはその生体適合性も高いため、医療分野でも活用されており、特にインプラントや義歯の材料として使用されることがあります。これにより、酸化チタンは多様な産業で重要な役割を果たしており、今後もその応用範囲はさらに広がると期待されています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。