臭化メチル（Methyl Bromide CH₃Br）とは

臭化メチル（Methyl Bromide、CH₃Br）は、メチル基（CH₃）に臭素原子（Br）が結合した有機化合物で、無色の気体または液体であり、特有の甘い香りを持ちます。臭化メチルは非常に反応性が高く、さまざまな化学反応に利用されます。最も広く知られている用途は、農業分野での殺虫剤や土壌消毒剤としての使用です。臭化メチルは害虫、線虫、雑草などを殺す能力があり、特に農作物の栽培前に土壌処理として用いられます。これにより、作物の病害虫の発生を防ぐことができます。しかし、臭化メチルはオゾン層を破壊する危険性があるため、国際的な規制が厳しくなっています。特に「モントリオール議定書」に基づき、臭化メチルの使用は段階的に削減され、最終的には農業用途での使用が禁止されつつあります。化学的には、臭化メチルはエチル化剤やアルキル化剤としても利用され、有機合成において重要な役割を果たします。その他、臭化メチルは化学工業や製薬業界でも使用されることがあります。特に、薬剤合成や化学反応においてメチル基を導入するために利用されることが一般的です。しかし、臭化メチルは非常に毒性が高く、人体に有害であるため、使用には十分な安全対策が必要です。吸入や皮膚接触により健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、取り扱い時には防護具の使用が推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。