臭化水素（Hydrogen Bromide HBr）とは

臭化水素（Hydrogen Bromide、HBr）は、水素（H）と臭素（Br）からなる無機化合物で、化学式HBrで表されます。常温では無色のガスであり、強い腐食性と刺激性を持ちます。臭化水素は水に溶けると、強酸性を示し、臭化水素酸（Hydrobromic acid）を生成します。水溶液の濃度に応じて、強酸としてさまざまな化学反応に利用されます。臭化水素は主に化学工業での合成反応に使用され、特に有機化学の分野では、アルキル化、エステル化、または酸化還元反応で重要な役割を果たします。特にアルキル臭化物の製造には欠かせない原料です。臭化水素はまた、臭素化合物の製造においても使用され、臭素化アルキル、臭素化アリールなどが含まれます。また、ガスとしては、臭素ガスと反応させることで臭素の供給源としても利用されます。さらに、臭化水素は溶液中で金属と反応し、金属臭化物を生成することもあります。工業用途の他に、臭化水素酸は化学実験や合成においても多く使われます。例えば、ペプチド合成や有機反応の触媒としても用いられます。しかし、臭化水素ガスは非常に腐食性が高いため、取り扱いには十分な注意が必要です。吸入や皮膚接触により、呼吸器や皮膚に深刻な損傷を与える可能性があるため、適切な防護具を着用する必要があります。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。