重クロム酸カリウム（Potassium dichromate K₂Cr₂O₇）とは

重クロム酸カリウム（Potassium dichromate、化学式: K₂Cr₂O₇）は、クロム（Cr）を含む無機化合物で、強力な酸化剤として知られています。常温ではオレンジ色の結晶または結晶性粉末として存在し、強い酸化力を持ち、特に有機物との反応において重要な役割を果たします。重クロム酸カリウムは、主に化学実験や工業プロセスで使用され、酸化反応やクロミウムを含む化学物質の合成に利用されます。重クロム酸カリウムは、クロム酸カリウム（K₂CrO₄）とクロム酸（CrO₃）の中間に位置する化合物で、クロムの酸化数が+6の状態で安定しています。この化合物は、酸化還元反応において強力な酸化剤として広く利用され、主に有機化学における酸化反応に使用されます。例えば、アルコールの酸化、アルデヒドの酸化、または二重結合を含む化合物の酸化に用いられます。

また、重クロム酸カリウムは皮膚や呼吸器に対して有害であり、発癌性があるとされています。そのため、取り扱いには十分な注意が必要で、適切な防護具（手袋、マスク、ゴーグルなど）の使用が推奨されます。特に工業的には、クロムを含む廃液や排ガスが環境に与える影響も懸念され、廃棄物の処理や排出基準に対して厳格な規制が設けられています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。