水酸化ニッケル（Ni(OH)₂）とは

水酸化ニッケル（Ni(OH)₂）は、ニッケルの水酸化物で、一般的には暗緑色や緑色の粉末として存在します。化学式はNi(OH)₂で、ニッケル(II)イオンと水酸化物イオンが結びついた化合物です。この物質は、強アルカリ性の水溶液に溶けやすく、酸性環境下では安定しています。水酸化ニッケルは、ニッケル電池やバッテリー、特にニッケル水素電池（NiMH）やニッケルカドミウム電池（NiCd）で重要な役割を果たします。これらのバッテリーでは、電気化学反応を促進する役割を担い、エネルギーの貯蔵と放出に関与します。また、水酸化ニッケルは触媒としても使用され、化学反応の促進剤として働くことがあります。

工業的には、水酸化ニッケルはニッケル製品の製造過程でも使用されます。例えば、ニッケルメッキの際に使用されることがあり、ニッケルの表面処理に役立ちます。また、廃水処理においても利用されることがあり、金属イオンの除去に使用される場合もあります。水酸化ニッケルは、ニッケル(II)の化合物の中でも比較的安定しており、特に高温での安定性が求められる用途において有用です。ただし、ニッケル化合物は有毒であるため、取り扱いには注意が必要です。適切な防護具を着用し、安全に取り扱うことが推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。