炭化タングステン（Tungsten Carbide, WC）とは

炭化タングステン（Tungsten Carbide, WC）は、タングステン（W）と炭素（C）から成る化合物で、非常に硬く耐摩耗性に優れた金属間化合物です。高い硬度と強靭性を持ち、金属加工、切削工具、研削材、さらには軍事用途においても広く利用されています。炭化タングステンは、モース硬度で9～9.5の範囲にあり、ダイヤモンドに次ぐ硬さを誇ります。

特徴
✅ 耐摩耗性
炭化タングステンは非常に硬いため、摩耗に強く、長寿命を誇ります。このため、切削工具や研削工具、耐摩耗性が求められる機械部品に多く使用されます。
✅ 高い融点
炭化タングステンの融点は約3,422°Cと非常に高いため、高温での使用にも適しています。
✅ 強度と靭性
高硬度に加え、十分な靭性を持ち、衝撃や圧力に耐えることができます。
✅ 化学的安定性
化学的に安定しており、多くの酸やアルカリに対して耐性があります。

使用例
✅ 切削工具
炭化タングステンは、ドリルビット、フライス、旋盤の刃先、切削工具などに使用されます。特に硬い金属や高温環境での加工において、その耐摩耗性と硬度が求められます。
✅ 耐摩耗部品
タービンのブレード、圧縮機の部品、採掘機械の部品など、摩耗が激しい部品にも使用されます。
✅ 装飾品
高硬度で傷がつきにくいため、ウェディングリングなどの装飾品にも使用されることがあります。

炭化タングステンは、その高硬度と耐摩耗性から非常に価値が高く、多岐にわたる産業で不可欠な素材となっています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。