炭酸ランタン（Lanthanum Carbonate La₂(CO₃)₃）とは

炭酸ランタン（Lanthanum Carbonate, La₂(CO₃)₃）は、ランタンと炭酸イオンから成る無機化合物で、白色の結晶または粉末として存在します。ランタンは希土類元素に分類される金属で、化学的に活性な性質を持つため、さまざまな産業で利用されています。炭酸ランタンは、特に化学工業や医薬品、電子機器の分野で使用されることが多いです。医療分野では、炭酸ランタンは主に高リン血症の治療薬として使用されます。腎不全患者において、腎臓がリンを適切に排泄できない場合、血液中のリン濃度が高くなり、これが健康に害を及ぼす可能性があります。炭酸ランタンは、腸内でリンを結合して吸収を抑制し、血液中のリンの濃度を低下させる効果があります。この薬は、腎臓病患者にとって重要な治療選択肢となっています。

また、炭酸ランタンは電子機器や触媒としても使用されます。ランタンを含む化合物は、光学機器や高性能の電子機器に利用されることがあり、炭酸ランタンもその一部です。さらに、ランタンは高温でも安定しているため、セラミックスや蛍光体の製造にも使用されることがあります。炭酸ランタンの取り扱いには注意が必要で、無害な成分として使用されることが多いものの、過剰摂取や適切な取り扱いがされない場合、健康に悪影響を及ぼすことがあります。したがって、使用に際しては適切なガイドラインに従うことが重要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。