MVR蒸発濃縮装置 / メーカー4社一覧
MVR蒸発濃縮装置とは
MVR蒸発濃縮装置とは、Mechanical Vapor Recompression(機械式蒸気再圧縮)の技術を用いて、エネルギー効率よく液体の水分を蒸発させ、成分を濃縮する装置です。この装置は、従来の蒸発装置と異なり、一度蒸発した水蒸気を捨てずに回収し、圧縮機(ブロワーやルーツブロワーなど)で圧力と温度を上昇させて再利用する点が特徴です。再圧縮された蒸気は、加熱源として再び蒸発器に供給されるため、新たな蒸気の消費量が大幅に削減されます。これにより、エネルギー使用量を約80〜90%削減することが可能とされ、省エネかつ環境にやさしい濃縮方法として注目されています。
MVR蒸発濃縮装置は、廃液処理、食品加工(果汁、乳製品など)、製薬、化学製品製造などさまざまな業界で活用されています。特に処理量が多く、熱に弱い物質を扱う場合に適しています。また、閉鎖系での運転が可能なため、揮発性有機物や臭気成分の拡散を抑えるといったメリットもあります。初期投資は比較的高めですが、長期的な運用コストの低減と環境負荷軽減の観点から、持続可能な製造プロセスを実現するための有力な選択肢の一つとされています。
MVR蒸発濃縮装置の使用用途
✅ 廃水処理
MVR蒸発濃縮装置は、廃水処理において水分を除去し、廃水の体積を減少させるために使用されます。このプロセスにより、有害物質や有毒物質を効率よく処理でき、廃棄コストの削減や環境負荷の軽減が実現します。
✅ 果汁の濃縮
食品業界では、MVR蒸発濃縮装置を使用して、オレンジジュースやリンゴジュースなどの果汁を濃縮します。水分を除去することで、輸送コストの削減、保存性の向上が可能になり、自然な風味を保ったまま効率的に濃縮できます。
✅ 薬品の濃縮
製薬業界では、MVR蒸発濃縮装置は有効成分や中間体の濃縮に使用されます。このプロセスにより、薬品の品質や効果を確保するために、成分の濃度が正確にコントロールされます。特に高精度が求められる製薬プロセスにおいて重要な役割を果たします。
✅ 乳製品の濃縮
乳製品の製造において、MVR蒸発濃縮装置は、牛乳やホエー(乳清)などの水分を除去し、効率的に濃縮します。このプロセスは、チーズやヨーグルト、粉ミルクなどの製造において、製品の品質を保ちながら栄養素を濃縮するために欠かせません。
MVR蒸発濃縮装置のメーカー一覧
※一部商社などの取扱い企業も含みます。