サーマルサイクラーとは

サーマルサイクラー（Thermal Cycler）は、主に分子生物学の研究で使用される装置で、ポリメラーゼ連鎖反応（PCR）などの遺伝子解析技術において、温度を正確にコントロールする役割を果たします。この装置は、サンプルを複数の温度サイクルに通すことで、DNAの複製や増幅を行います。PCRでは、通常、熱変性（高温）、アニーリング（中温）、伸長（低温）という3つのステップを繰り返し行うことで、ターゲット遺伝子を増幅します。サーマルサイクラーは、これらの温度の変更を正確に、かつ短時間で繰り返し行えるため、PCR反応の効率を最大化し、遺伝子解析を迅速かつ正確に進めることができます。

サーマルサイクラーの使用用途

✅遺伝子解析
サーマルサイクラーはPCRを使用して遺伝子の増幅に使用されます。たとえば、がん遺伝子の特定部分を増幅することで、がんの早期発見に役立てます。
✅感染症の診断
サーマルサイクラーは、PCRによって細菌やウイルスの遺伝子を検出するためにも使用されます。COVID-19やインフルエンザの診断に利用されることが一般的です。
✅DNAクローニング
研究者はサーマルサイクラーを使用して、特定のDNA断片を増幅し、その後クローニング（複製）して、さらなる解析を行います。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。