クラッド鋼とは

クラッド鋼は、異なる金属の特性を組み合わせるために、主に基材となる鋼と、表面に接合する他の金属を重ね合わせて作られた複合材料です。一般的に、耐腐食性や耐熱性が求められる部分にステンレス鋼やアルミニウム、銅などの金属を鋼の表面にクラッド（接合）させます。製造方法には、圧延、爆発圧接、溶接などが用いられ、強固な結合が得られます。クラッド鋼は化学プラントや石油精製所、船舶、建築材料、調理器具など、厳しい環境での使用に適しており、素材のコストパフォーマンスを高めながら耐久性や機能性を強化します。

クラッド鋼の使用用途

クラッド鋼は、耐食性や耐熱性が求められる様々な分野で使用されています。以下に具体的な使用例を挙げます：
１．化学プラントや石油精製所の配管やタンク：腐食性の高い薬品やガスに長期間さらされるため、耐食性に優れたステンレスクラッド鋼が用いられ、内側は耐食性を、外側は強度を持たせた構造が取られます。
２．海洋構造物や船舶の部品：海水の影響を受けやすい環境では、表面に耐食性のあるクラッド鋼を使うことで錆びにくく、耐久性が向上します。船舶の外装や海洋プラットフォームの補強材にも採用されています。
３．調理器具：フライパンや鍋の内面にステンレスや銅をクラッドした製品は、耐久性があり熱伝導性が良いため、調理の効率と品質を向上させます。
４．建築材料：建物の外装材や内装のパネルにクラッド鋼が使われ、強度とデザイン性を兼ね備えた仕上がりが求められる場合に最適です。
５．航空機エンジンや発電所のボイラー：高温・高圧にさらされる部品にクラッド鋼を使うことで、耐熱性や耐摩耗性が強化され、長寿命化が図られます。

クラッド鋼は、性能の向上とコスト削減を両立できるため、多様な用途で採用されています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。