電動シリンダとは

電動シリンダーは、モーターを用いて直線運動を生成する装置で、油圧や空気圧を用いずに高精度での制御が可能です。通常、電動シリンダーはスクリュー（ボールねじやリードスクリュー）とガイドによって構成され、モーターがスクリューを回転させることで、ピストンやロッドが直線的に動作します。この技術は、繰り返し精度が求められる産業機械、自動化設備、ロボット工学などの分野で広く利用されています。また、メンテナンスが容易で、省エネルギー性に優れているため、従来の油圧システムや空圧システムの代替として注目されています。

電動シリンダの使用用途

電動シリンダーは、さまざまな産業分野で幅広く使用されています。以下に主な使用用途を説明します。

１．産業機械・自動化装置
電動シリンダーは、精密な位置決めが求められる産業機械や自動化装置に多く使用されます。たとえば、アセンブリラインでのパーツの移動、部品のピッキング・プレースメント、そして製品の検査や仕分けなどに用いられます。
２．ロボット工学
ロボット工学において、電動シリンダーはロボットのアクチュエーターとして、腕やグリッパーの動作を制御するために使用されます。高い繰り返し精度と動作のスムーズさが求められるため、電動シリンダーは最適です。
３．医療機器
手術用ロボットやリハビリ機器など、医療分野でも電動シリンダーは活用されています。静かで清潔な動作環境が必要な場面で特に効果を発揮します。
４．包装機械
包装機械でのフィルムの巻き取りやカッティングなどの工程でも、電動シリンダーが使用されます。高速かつ正確な動作が必要とされるためです。
５．航空宇宙・防衛産業
電動シリンダーは、航空機のフラップや防衛装置の調整など、厳しい環境下での信頼性の高い動作が求められる場面にも使用されます。

これらの用途は、電動シリンダーの高い制御精度、省エネルギー性、メンテナンスの容易さなどの特徴によるものです。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。