マッフル炉とは

炉内に磁気ヒートプレートを配置し、ヒーターが露出しない仕切り（マッフル）を使用することで、熱源がサンプルに直接当たることがありません。一般的なマッフル炉では、常温約850℃で使用されます。陶器等に使用される電気炉は、マッフル炉とは異なり、内部にヒーターが露出しています。加熱、溶融、乾燥したいサンプルである金属や粉末は、熱源に直接当たることはありませんが、サンプルは間接的に熱源を追加し、サンプルの汚染を防ぎます。炉内の断熱材には、アルミナとシリカを主成分とする無機繊維であるセラミック繊維を使用しており、急速な冷暖房に強い化学安定性のある素材です。モデルによっては、温度の上昇と下降をプログラムで制御できるものもあります。温度センサーにはR熱電対、K熱電対、B熱電対を使用していますが、構成材料や温度範囲が異なるため、適切なものを使用することをお勧めします。安全装置として、過電流遮断器とマイコン異常検知装置が付属しています。

マッフル炉の使用用途

マッフル炉は、炉内の雰囲気の変化が少なく、正確な制御が必要なため、セラミック（タイル、ガラス、絶縁体）の焼成に使用されます。成分分析試験における重金属や砒素の試験では、サンプルの前処理として、マッフル炉で焼却したものを用いて分析する場合があり、医薬品や食品の試験に使用されます。灰化試験では、マッフル炉を使用してサンプルに熱を加えたときに残る物質の量を測定し、医薬品や食品の試験に使用します。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。