スパイラルタップとは

スパイラルタップとは、ねじの内部ねじ山（雌ねじ）を切削する工具の一種です。特徴的なのは、切りくずを上方向に排出するためにらせん状の溝（スパイラル溝）を持つことです。この構造により、切りくずが詰まるリスクが軽減され、深い穴や盲穴（底のある穴）に対しても効率的にねじ加工を行えます。スパイラルタップは、特に鉄やステンレス、アルミなどさまざまな金属材料に適しています。通常の直溝タップと比べ、加工時の負荷が少なく、破損リスクが低い点がメリットです。また、切りくずがねじ山を傷つける可能性も減少するため、精密なねじ加工が求められる場面でも使用されます。

スパイラルタップの使用用途

１．自動車部品のねじ加工
自動車のエンジン部品やシャーシなど、深い穴や精密なねじ加工が必要な場面で使用されます。スパイラルタップの切りくず排出機能により、ねじ山がきれいに仕上がり、加工不良のリスクを低減できます。
２．航空機の部品製造
航空機部品では、アルミニウムやチタンなど硬い金属を用いるため、スパイラルタップが用いられることが多いです。特に、軽量かつ高精度の加工が求められるため、切りくずが詰まりにくいスパイラルタップが適しています。
３．電子機器の精密部品
精密なねじが要求される電子機器部品でも、スパイラルタップが使われます。盲穴の加工が多く、切りくずが穴の中に残ると部品の不良につながるため、切りくずを確実に排出できるスパイラルタップが重宝されます。
４．金型製造
金型の製造でも、細かいねじ加工が必要になることが多いため、スパイラルタップが用いられます。切りくずの排出がスムーズなため、深さがある穴や複雑な形状の加工に向いています。

スパイラルタップは、このように切りくず処理が難しい状況や高い精度が求められる加工現場で活躍します。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。