走査型プローブ顕微鏡とは

走査型プローブ顕微鏡（SPM）は、表面の微細構造や物質の特性を観察および測定するための非常に高精度な装置です。主に原子レベルでの解析が可能で、表面の高さをナノメートル単位で測定します。この顕微鏡は、探針を表面に接触させて走査することにより、表面の形状や物質の特性を高解像度で取得します。特に、ナノテクノロジーや材料科学、生物学の研究において重要な役割を果たしています。

SPMには、原子間力顕微鏡（AFM）や走査トンネル顕微鏡（STM）などのさまざまな技術が含まれており、異なる観察モードで多様な物理的特性を測定することができます。これにより、ナノスケールでの表面の形状、導電性、機械的特性などの情報を得ることが可能です。

走査型プローブ顕微鏡の使用用途

１．ナノテクノロジー研究
SPMは、ナノスケールでの物質の構造や性質を観察するために使用されます。例えば、ナノ材料の表面構造やナノ粒子の形状、自己組織化分子の挙動などを分析する際に重要な役割を果たします。
２．半導体の品質管理
半導体製造の過程で、SPMを使用して微細な表面構造を測定し、欠陥の有無や表面の均一性を確認します。これにより、微細な構造に関する詳細な情報を得て、品質を確保します。
３．バイオ分野での応用
SPMは、生体分子の表面特性や相互作用を調べるためにも使用されます。たとえば、細胞膜の表面形状やタンパク質の相互作用をナノスケールで観察し、医療研究や生物学的解析に貢献します。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。