分取HPLCとは

分取HPLC（分取液体クロマトグラフィー）とは、化学物質の分離、精製、収集を目的としたクロマトグラフィーの一種です。

HPLC（高速液体クロマトグラフィー）は、分析用に用いられることが多いですが、分取HPLCは主に目的の成分を分離し、高純度で収集するために使用されます。分取HPLCは、特に有機化合物や薬剤、天然物質の精製に有効です。使用されるカラムは、分析用HPLCのものと同様に高い性能を持ち、分離において精度と効率が求められます。分取HPLCは、移動相（溶媒）と固定相（カラム内の素材）を利用して、試料中の成分を分離します。サンプルはカラムを通過する際に、異なる成分が異なる速度で移動するため、成分ごとに分けて収集することができます。得られる収集物は、化学分析や製剤開発、医薬品の製造過程などで使用されることがあります。

この技術は、非常に高純度な化合物の取得が可能であり、薬学研究や化学合成、バイオ分野での使用が広がっています。

分取HPLCの使用用途

１．製薬業界での精製: 分取HPLCは製薬業界で薬の開発に使用され、活性成分を精製するのに役立ちます。例えば、複雑な天然抽出物の中から特定の化合物を分離して、薬が不純物を含まないようにするために使用されます。
２．化学合成: 化学研究所では、分取HPLCを使って新たに合成された化合物を分離・精製します。反応中に生成された特定の化合物を分離し、その純度を確保して、さらなる分析や産業用途に利用します。
３．天然物の分離: 植物や微生物から天然物を抽出する際、分取HPLCを用いてアルカロイドやフラボノイドなどの生理活性物質を高純度で分離できます。これらの化合物は研究や化粧品、その他の産業での原料として使用されることがあります。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。