FTIR 分光計とは

FTIR分光計（Fourier Transform Infrared Spectrometer）は、物質の分子構造や化学成分を調べるための装置で、赤外線を利用して分子の振動や回転を測定します。FTIRは、試料に赤外線を照射し、その光が物質内で吸収される波長と強度を解析することで、特定の化学結合や分子の存在を判別します。得られたスペクトルデータは、分子内の化学結合の種類や数に関する情報を提供し、各波長の吸収ピークを基に物質の特性を把握できます。これにより、FTIR分光計は化学、製薬、食品、環境科学など多様な分野で使用され、例えば、成分分析や不純物の検出、分解反応の進行の追跡などに活用されます。また、非破壊で迅速に試料の分析が可能であるため、品質管理や研究開発においても重宝されています。

FTIR 分光計の使用用途

１．食品の品質管理
食品産業では、FTIR分光計を用いて成分分析や異物検出が行われています。例えば、油脂の酸化状態を調べる際、FTIRは酸化に伴う化学構造の変化を素早く検出できるため、品質管理に役立ちます。
２．環境汚染物質の検出
環境分野では、土壌や水中の汚染物質を検出するためにFTIR分光計が使用されます。例えば、石油や有機溶剤による土壌汚染を分析する際、FTIR分光計を使って特定の有機化合物を検出し、汚染のレベルを把握することができます。
３．医薬品の純度確認
医薬品製造では、FTIR分光計で薬品の純度や不純物を確認します。製造工程での品質チェックに使用され、FTIRによって医薬品成分が正確に配合されているか、不要な不純物が混入していないかを迅速に確認できます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。