磁気ボール盤とは

磁気ボール盤（英語：Magnetic Drilling Machine）は、磁石の力で金属面に固定して使用する携帯型の穴あけ機械です。特に鋼板やH形鋼などの鉄鋼構造物に対して、安定した穴あけ作業を行うために設計されています。機械の底部に強力な電磁石を備えており、スイッチを入れることで金属表面にしっかりと吸着します。これにより、垂直・水平・斜めなどさまざまな角度での穴あけ作業が可能となり、作業の安全性と精度が大幅に向上します。コンパクトで持ち運びが容易なため、建設現場や橋梁工事、製缶作業などの現場でも広く利用されています。また、鉄工所などでは省スペースで高効率な穴あけ設備として重宝されています。使用するドリルには、ツイストドリルのほか、刃先がリング状になったアトラカッターなども装着可能で、用途に応じて工具の交換も容易です。

磁気ボール盤の使用用途

✅ 建設現場での鉄骨加工
H形鋼やチャンネル鋼などの構造材に穴をあけて、ボルト接合のための加工を行う際に使用されます。足場が悪い高所でも磁石で固定できるため、安全かつ正確な穴あけが可能です。
✅ 橋梁や鉄塔の補修工事
既設の鉄構造物に補強材を取り付ける際、既存の鉄材に新たな穴を開ける必要があります。磁気ボール盤は既存構造物に直接固定して作業できるため、現場対応に非常に適しています。
✅ 配管やタンクのメンテナンス
大型の配管やタンクにフランジや取り付け金具を追加する際、曲面や傾斜面でも安定して穴あけできるため、メンテナンス作業で重宝されています。
✅ 製缶・鉄工所での量産穴あけ
製缶加工や鋼板加工の現場では、一定の位置に複数の穴を正確に開ける必要があります。磁気ボール盤は位置決めがしやすく、作業効率が高いため、量産工程でも使用されます。

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