無響室とは

無響室（むきょうしつ）は、音響測定や実験のために音がほとんど反射しないように設計された特別な部屋です。一般的に、壁、天井、床には音を吸収する素材が施されており、室内における音の反響を最小限に抑えます。無響室の中では、外部の音や振動を遮断し、静かな環境を提供します。この環境は、精密な音響測定や実験、例えばマイクやスピーカーの性能評価、音響機器のテスト、または人間の聴覚に関する研究などで重要です。

無響室は、音がほとんど反響しないため、音の源から発生する音波が壁などに反射せず、純粋な音波を測定することができます。これにより、背景音や外的要因による誤差を避けることができます。また、無響室は非常に静かな環境を提供するため、音を極端に低く、または高くすることが可能で、音響効果の検証や実験にも使用されます。

無響室の中では、音のエコーが発生しにくいため、長時間の測定を行っても信頼性の高い結果を得ることができます。

無響室の使用用途

１．スピーカーのテスト: オーディオ機器のメーカーは、スピーカーやその他のオーディオ機器の周波数応答や音質をテストするために無響室を使用します。音の反響を排除することにより、外部の音響による干渉なしで機器の真の性能を測定することができます。
２．人間の聴覚研究: 聴覚に関する研究では、無響室を使用して背景音がない環境でテストを行い、被験者の聴覚反応を正確に測定します。
３．自動車業界: 自動車業界でも無響室を使用して車両内の音のレベルをテストします。さまざまな音源をシミュレートすることで、製造業者は車内の音の隔離性能と音響特性を評価し、より静かな車内空間の設計に役立てています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。