熱処理 / 炉設備とは

熱処理とは、金属やその他の材料の特性を向上させるために、特定の温度に加熱し、冷却する工程です。これにより、硬度・強度の向上、耐摩耗性の強化、内部応力の除去などの効果が得られます。熱処理には、焼鈍（アニーリング）、焼入れ（クエンチング）、焼戻し（テンパリング）、窒化処理、真空処理などの方法があります。これらの工程を実現するためには、高度な炉設備が不可欠です。

炉設備には、各種の熱処理炉（焼鈍炉、焼入れ炉、焼戻し炉）、窒化炉、真空炉、高周波誘導加熱装置などがあり、それぞれ異なる目的に応じて設計・製造されます。炉の設計・製造・据付は専門的な技術を要し、エネルギー効率や温度制御の精度が求められます。また、炉のメンテナンスや改造、耐火材・断熱材の施工も重要な要素であり、長期間の安定稼働を支えるために定期的な保守が必要です。

熱処理 / 炉設備の使用用途

✅ 焼鈍炉（アニーリング）
金属材料の内部応力を低減し、加工性や靭性を向上させるための焼鈍（アニーリング）処理を行う炉です。温度管理が重要で、均一な加熱・冷却が求められます。
✅ 焼入れ炉（クエンチング）
金属材料の硬度と強度を向上させるために急冷する焼入れ（クエンチング）炉です。油冷・水冷・ガス冷など、用途に応じた冷却方法を採用します。
✅ 焼戻し炉（テンパリング）
焼入れ後の金属の脆さを低減し、適切な強度と靭性を付与するための焼戻し（テンパリング）炉です。精密な温度管理が求められます。
✅ 窒化炉・真空炉
表面硬化処理を行う窒化炉や、不活性雰囲気下で酸化を防ぎながら熱処理を行う真空炉を提供。航空宇宙、自動車、金型業界で広く活用されます。
✅ 高周波誘導加熱装置
電磁誘導による非接触加熱技術を用いた装置で、短時間で高精度な熱処理を実現。金属加工や硬化処理に適しています。
✅ 炉の設計・製造・据付
各種熱処理炉のカスタム設計から製造、現場での据付まで一貫対応。用途に応じた最適な炉を提供します。
✅ 炉のメンテナンス・改造
炉の性能維持・向上のための定期メンテナンスや、エネルギー効率向上を目的とした改造を実施。省エネ対策や最新技術の導入にも対応。
✅ 耐火材・断熱材の施工
炉の断熱性能を高めるための耐火材・断熱材の施工を行います。適切な素材を選定し、省エネや設備寿命の延長をサポート。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。