アジリジン（Aziridine）とは

アジリジン（Aziridine）は、三員環構造を持つ有機化合物で、化学式は C₂H₅N です。窒素原子を含む三員環（1-アザシクロプロパン）は特有の反応性を持ち、その環の歪みから高い張力エネルギーを有します。アジリジンは無色の揮発性液体で、刺激臭があり、水によく溶けます。工業的には、医薬品や農薬、染料、界面活性剤、ポリマー合成などの中間体として利用されており、特に医療分野では抗がん剤などの活性基として研究されています。ただし、アジリジンは強いアルキル化剤としても知られ、有害性が高く、発がん性や変異原性の懸念もあるため、取り扱いには細心の注意が必要です。吸入や皮膚接触によって健康に悪影響を及ぼす可能性があり、密閉系での操作や防護具の着用が必須です。その反応性の高さから、化学反応の起点としての応用も進んでいます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。