アンチモン（Antimony、化学記号：Sb）とは

アンチモン（Antimony、化学記号：Sb）は、周期表の15族に属する化学元素で、金属と非金属の特性を持つ半金属（メタロイド）です。自然界では、主に硫化アンチモン鉱（Sb₂S₃）や酸化アンチモン（Sb₂O₃）などの鉱物として存在します。アンチモンは古代から知られ、化粧品や薬品の成分として利用されていた歴史があります。

アンチモンの化合物は、多くの産業で利用されており、特に合金として重要です。例えば、鉛と混合して使用することで、電池やはんだの材料として利用されるほか、耐火性を高めるためにプラスチックやゴムにも添加されます。また、アンチモンは、半導体技術においても重要な役割を果たします。アンチモンをドーピング剤として使用することで、半導体の性能を調整することが可能になります。

さらに、アンチモンは医薬分野でも用いられ、特に抗寄生虫薬や抗菌薬として利用されることがあります。しかし、アンチモン化合物は一定の毒性を持つため、取扱いには注意が必要です。特に過剰摂取は健康に害を及ぼす可能性があります。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。