ストロンチウム（Strontium）とは

ストロンチウム（Strontium）は、化学記号Srで表される化学元素で、周期表のアルカリ土類金属に属します。原子番号は38で、銀白色の金属です。ストロンチウムは、発見された場所にちなみ、スコットランドのストロンチウム地方から名前が付けられました。常温では安定しており、酸素と反応しにくいですが、酸や水分と反応することがあります。

ストロンチウムは、化学的に非常に反応性が高い金属であり、空気中の酸素と反応して酸化物を生成します。このため、通常は油やガラス瓶に密封して保管されます。また、ストロンチウムは、高温では水と反応し、水素ガスと水酸化物を生成します。

産業用途としては、ストロンチウムは主にストロンチウム化合物の形で利用されます。特に、ストロンチウム化合物は、花火や花火の色彩を鮮やかにするために使われることが多いです。赤色の光を強調するためにストロンチウム塩が使用されるため、花火や照明装置において重要な役割を果たしています。また、ストロンチウムは、強力な磁石や放射線治療などの分野でも利用されています。

さらに、ストロンチウムは、ストロンチウム-90という同位体が核分裂によって生成されるため、放射線源としても使用されることがあります。ストロンチウム-90は、放射線治療において使用されるほか、核廃棄物の一部として存在しています。ストロンチウム-90は、長期間にわたって放射線を放出するため、廃棄物の管理には注意が必要です。

ストロンチウムは、生体内でも微量で存在し、特に骨に多く含まれています。カルシウムと似た性質を持ち、骨に取り込まれることがありますが、過剰に摂取すると健康に有害です。放射性同位体であるストロンチウム-90は特に危険で、放射線を放出するため、適切な取り扱いや管理が求められます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。