チオシアン酸カリウム（Potassium thiocyanate、化学式：KSCN）とは

チオシアン酸カリウム（Potassium thiocyanate、化学式：KSCN）は、カリウム（K）とチオシアン酸イオン（SCN⁻）から成る無機化合物です。無色または白色の結晶で、非常に水に溶けやすい性質を持ちます。チオシアン酸カリウムは、化学分析や合成において多くの用途があります。

用途と特性
チオシアン酸カリウムは、化学分析において重要な試薬として広く使用されます。特に金属イオンとの反応を利用して金属の定量分析に使用されます。例えば、鉄(III)イオンと反応して赤色の錯体を形成するため、鉄の定量に使用されることがあります。また、チオシアン酸カリウムは、化学反応における試薬として、特に無機化学反応や有機化学反応において利用されます。

工業用途としては、染料の合成や、プラスチックや繊維業界での使用もあります。煙火や爆薬にも利用されることがありますが、その使用には十分な注意が必要です。

安全性と取り扱い
チオシアン酸カリウムは、化学的に安定した化合物であり、適切に取り扱えば安全ですが、高濃度で摂取したり、長期間にわたって接触したりすると、健康に害を及ぼす可能性があります。特に大気中の酸化物と反応することで、有毒なガスが発生することがあるため、適切な換気と取り扱いが求められます。

高濃度のチオシアン酸カリウムは、皮膚や目に刺激を与える可能性があるため、取り扱い時には手袋やゴーグルなどの保護具を使用することが推奨されます。また、加熱することで有害なガスを放出する場合があるため、加熱や保管時には注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。