酪酸エチル（Ethyl butyrate、化学式 C₆H₁₂O₂）とは

酪酸エチル（Ethyl butyrate、化学式 C₆H₁₂O₂） は、甘くフルーティーな香りを持つ無色の液体で、エステル類に分類されます。この化合物は、酪酸とエタノールが反応することによって合成され、一般的にはフルーツや花の香りに似た特徴を持っています。特に、オレンジ、パイナップル、マンゴー などのフルーツの香りに関連しています。酪酸エチルは、主に香料や香水の成分として使用され、食品業界ではフルーツフレーバーを提供するために添加されます。果物の香りや風味を模倣するため、キャンディーや飲料、アイスクリームなどの加工食品に広く使われています。また、化粧品や洗剤にも添加され、香りの改善に役立っています。

化学工業では、酪酸エチルは溶剤としても利用され、特に塗料やラッカー、接着剤などの製造過程で使用されます。低毒性で揮発性が高いため、広範囲な用途に適しています。

取り扱いにおいては、可燃性があるため、火気や高温の場所での保管には注意が必要です。また、高濃度で長期間にわたり吸入しないようにすることが推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。