シクロヘキシミド（Cycloheximide）とは

シクロヘキシミド（Cycloheximide、化学式：C15H23NO4）は、ストレプトマイセス属の放線菌（Streptomyces griseus）から得られる抗生物質であり、主に真核生物のタンパク質合成を阻害する作用を持ちます。これは、リボソームの80Sの段階での翻訳伸長を阻害することにより、細胞のタンパク質合成を止めるため、分子生物学や細胞生物学の研究において強力なツールとして使用されています。細胞培養においては、タンパク質の分解速度を研究する際や、mRNAの安定性の検討、または一時的にタンパク質合成を停止させる目的で用いられます。植物の研究でも利用され、オーキシン応答などの研究に使われることがあります。

ただし、シクロヘキシミドは哺乳類細胞にも毒性を示し、ヒトを含む動物にとって強い毒性があるため、研究以外での使用は禁止されています。取扱いには細心の注意が必要であり、防護手袋やドラフトチャンバーを用いた厳重な管理が求められます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。