デキストラン硫酸ナトリウム（Dextran sulfate sodium DSS）とは

デキストラン硫酸ナトリウム（Dextran sulfate sodium、略称：DSS） は、デキストランと呼ばれる多糖類に硫酸基が付加された化合物で、ナトリウム塩として存在します。水溶性で、強い陰性電荷を持つことから、バイオメディカル分野でさまざまな用途に利用されています。DSSは特に、マウスモデルにおける潰瘍性大腸炎（UC）の誘導剤として知られ、腸管上皮を損傷させて炎症反応を誘発する作用があります。このため、腸炎や炎症性疾患の研究において広く使われています。

また、DSSは抗ウイルス作用や抗凝固作用を有することから、ウイルス感染や血液凝固の研究にも応用されています。ただし、生体への毒性や細胞毒性があるため、使用には注意が必要です。分子量の異なるDSSがあり、用途に応じて選択されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。