トリニトロトルエン（TNT）とは

トリニトロトルエン（TNT）は、化学式 C₇H₅N₃O₆ を持つ爆薬の一種で、トルエン分子に3つのニトロ基（-NO₂）が結合した構造をしています。無色から淡黄色の結晶性固体で、爆発力が高く、比較的安定して取り扱えることから、軍事用途を中心に広く使用されています。TNTの特徴は、摩擦や衝撃には比較的鈍感であり、意図的に点火しない限り爆発しにくいという安全性の高さです。そのため、火薬の製造や兵器、爆破工事などに活用されています。また、TNTは爆薬の威力を示す基準としても使われており、「TNT換算」という単位が地震のエネルギーや核爆発の比較などで用いられます。ただし、製造工程では毒性物質が発生する可能性があり、TNT自体も長期的な曝露により健康被害（肝臓障害や皮膚の黄変など）を引き起こすことがあるため、厳格な管理のもとで扱われています。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。