ヘプタン（Heptane）とは

ヘプタンは、化学式 C₇H₁₆ を持つ飽和炭化水素（アルカン）で、直鎖状の n-ヘプタン を含む複数の構造異性体が存在します。常温では無色透明の液体で、特有の揮発性と可燃性を持っています。天然では石油やガソリン中に含まれており、工業的にも主に石油の分留によって得られます。n-ヘプタン は、ガソリンのアンチノック性（ノッキングを起こしにくい性質）を評価する際の基準物質として使われ、オクタン価0 と定められています。これに対して、イソオクタン（オクタン価100）と比較することで燃料の性能を測ることができます。

また、溶媒としての用途もあり、特に極性の低い溶媒として塗料、接着剤、抽出、分析用などさまざまな分野で利用されています。その一方で、揮発性が高く引火性もあるため、取り扱いには十分な換気と火気の管理が必要です。吸入により中枢神経系への影響（めまい、吐き気など）を起こすことがあるため、安全な作業環境が求められます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。