ポリエチレンイミン（PEI）とは

ポリエチレンイミン（PEI）は、エチレンイミンをモノマーとする高分子化合物で、分岐型（branched）と直鎖型（linear）の2種類があります。特に高い陽イオン性を持つため、DNAやRNAとの結合性に優れ、遺伝子導入材（トランスフェクション試薬）としてライフサイエンス分野で広く使用されています。さらに、紙の強化剤、水処理用のキレート剤、接着剤、界面活性剤、塗料の改質剤としても活用されています。PEIはアミノ基を多数持ち、酸や金属イオンとよく反応するため、さまざまな機能材料の構築が可能です。ただし、高分子量PEIは細胞毒性がある場合もあるため、バイオ用途では分子量や構造に応じた最適化が重要です。水に溶けやすく、粘性が高いという特性から、ナノ材料との複合や表面修飾材料としての応用も期待されています。近年は抗菌性材料やドラッグデリバリーシステムなど、医療用途での応用研究も活発化しています。

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