安息香酸ベンジル（Benzyl Benzoate）とは

安息香酸ベンジル（Benzyl Benzoate）は、安息香酸とベンジルアルコールから合成されるエステル化合物で無色またはわずかに黄色を帯びた液体で、甘い香りを持ち、化学的には安息香酸とベンジルアルコールが結合した形になっています。水には溶けにくいものの、有機溶媒にはよく溶ける性質があります。安息香酸ベンジルは、医薬品や化粧品、農業において幅広く利用されている化学物質です。最も有名な用途は、駆虫剤としての使用です。特に皮膚の病気である疥癬（かいせん）の治療において、局所的に使用されることが多いです。疥癬はダニによって引き起こされる病気で、安息香酸ベンジルはダニを駆除する効果があります。

また、安息香酸ベンジルは香料としても使用されます。甘い香りが特徴で、香水やアロマセラピーオイルに添加されることがあります。さらに、溶剤や増粘剤としても利用され、化粧品や製薬業界での役割も重要です。農業分野では、植物に対する殺菌剤や農薬として使われることもあります。安息香酸ベンジルは、特に植物病害の予防に効果的とされています。加えて、食品添加物としても少量が使用される場合があります。

安全性に関しては、安息香酸ベンジルは適切に使用されれば比較的低毒性ですが、過剰に使用すると皮膚刺激やアレルギー反応を引き起こすことがあります。使用時には指示に従い、過度な使用を避けることが推奨されます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。