酸化マグネシウム（MgO）とは

酸化マグネシウム（MgO）は、マグネシウムと酸素からなる無機化合物で、白色の固体として存在します。天然には「ペリクレース」と呼ばれる鉱物として産出され、高温での熱分解によって、炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウムから工業的に合成されます。MgOは非常に高い融点（約2,800℃）を持ち、耐火性に優れることから、耐火レンガや炉材として使用されます。また、絶縁性や安定性にも優れており、電子部品の基板材料や、絶縁体としても利用されます。

医薬品分野では、制酸剤や便秘薬（緩下剤）として利用され、胃酸を中和したり腸の動きを促進する作用があります。食品添加物としても使用され、E番号は「E530」です。吸湿性があり、水と反応して水酸化マグネシウム（Mg(OH)₂）になる性質があるため、湿度の高い環境では密閉保存が必要です。また、酸とも反応し、塩と水を生成するなど、塩基性酸化物としての性質も持ちます。酸化マグネシウムはその多様な性質から、工業・医療・食品分野まで幅広く応用される重要な化合物です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。