酸化ランタン（La₂O₃）とは

酸化ランタン（La₂O₃）は、希土類元素であるランタンの酸化物で、白色または淡黄色の粉末状物質です。空気中では水分や二酸化炭素を吸収しやすく、時間とともに水酸化ランタンや炭酸塩に変化する性質があります。この物質は高い誘電率と安定性を持つことから、電子材料分野で注目されています。特に半導体製造において、ゲート絶縁体材料や誘電体としての用途があります。また、光学ガラスの添加剤としても使用され、屈折率の向上や紫外線の吸収能力を高める目的で用いられます。

さらに、触媒や触媒担体としての利用、赤外線吸収体、磁性材料、燃料電池の電解質など、応用範囲は広がっています。近年では、環境対応型の材料開発にも活用されており、再生可能エネルギーやハイブリッド技術への応用も期待されています。酸化ランタンは比較的安定ですが、強酸との反応により溶解します。取り扱いの際には、湿度や酸との接触に注意する必要があります。また、希土類酸化物であるため、廃棄や再利用の際には適切な環境対応が求められます。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。