酒石酸（Tartaric Acid）とは

酒石酸（Tartaric Acid）は、有機化合物で、化学式C₄H₆O₆で表されるカルボン酸です。自然界では、特にブドウに多く含まれており、ワインの製造過程で重要な役割を果たしています。酒石酸は無色または白色の結晶性固体で、酸味を持つことから、食品や飲料において酸味料や酸化防止剤として広く利用されます。また、薬品や化粧品にも使用され、皮膚のケアや美容においても注目されています。特に、酒石酸は酸味料として使用されるほか、ワイン製造においては、酒石（タルト）の結晶を形成する原因となり、これが「酒石酸結晶」としてワインの中に現れることもあります。ワインの醸造では、酒石酸が酸味の調整に寄与し、ワインの品質を向上させるための重要な成分となっています。また、酒石酸はサワークリームやアイスクリーム、ソフトドリンクなど、さまざまな食品の製造にも使用されることがあります。さらに、酒石酸は医薬品にも用いられており、特に酸性薬剤やカリウム酒石酸塩としての使用が一般的です。医薬分野では、消化促進や整腸作用を持つとされ、胃腸の不調を改善するためのサプリメントや薬剤に含まれることがあります。化粧品業界では、角質除去や保湿、肌のトーン改善を目的とした製品に利用されています。多くの用途にわたって利用されている酒石酸ですが、過剰摂取に対する注意が必要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。